女性たちの物語 #2
『Muta』

『Muta』
by Lucrecia Martel

アルゼンチン出身のルクレシア・マルテルによる作品。『MUTA』とは、「Mute(静寂)」とTransformation(変容)」を表し、シンボリズムと、寓意、そして企みに満ちた女性だけの世界を美しく謎めいた描写で表現しています。

幻想的な物語は、熱帯の海に停泊した船上が舞台です。夜が明け、あたりに電気の雑音と光のゆらめきが戻ると、入り口から美しく盛装したメスの生物が次々と昆虫のように表れます。エレガントな一団ですが、顔は隠れて見えません。

トータスカラーのサングラスの下で、つけまつげが上下に揺れ、聞いたことのない言語が交わされています。それはクリック音と振動によるモールス信号でした。メスのサナギは奇妙な変態の準備をしています。それは、進化の象徴、物質からの超越、そして儚い運命からの逃避です。

マルテルの作品は、女性の変容する力に対する独自の幻想的な観念を表しています。この変容する力こそがミュウミュウの魅力の根源といえます。

作品の背景